人によって更年期の症状の出方が違うのはなぜでしょう
さまざまな要因が複雑にからみ合って起こる更年期の症状
更年期のからだの変調は、たいしてつらさも感じずにやり過ごしてしまう人もいれば、日常生活に支障をきたすほどの人もいます。かつては、更年期に起こるこうした症状をすべて「更年期障害」と呼んでいましたが、現在は日常に支障があるほど症状がひどいものを「更年期障害」と呼び、それ以外の場合は「更年期症状」と呼んで区別しています。それにしても、なぜ症状の出方に個人差が大きいのでしょうか。いろいろな原因が考えられますが、大きく分けて次の3つのことがあげられます。
卵巣機能の衰え方の差や体質的な要因
更年期は、卵巣機能の低下によるエストロゲンの減少が直接の原因ですが、卵巣機能の低下の度合いやホルモン分泌の低下の起こり方は人によって異なります。さらにホルモン分泌の乱れに対して、からだが敏感に反応する人もいて、こうした要素が症状の出方の差に関係があると考えられます。
一般に、ふだんからホルモンの分泌が不規則で月経不順だったり、自律神経失調ぎみの人ほど、更年期症状が出やすい傾向かおるといわれています。また不規則な生活や過労、睡眠不足なども、ホルモンや自律神経の乱れに拍車をかける原因になります。
ストレスに対する抵抗力も重要なカギ
たとえば、くよくよタイプの人は、わずかなからだの変調がとても気になり、それが大きなストレスになります。
また、誰かに頼っていたい依存タイプの人は、更年期のつらさを家族にわかってもらえないと、不安感や孤独感がつのり、気分がますます落ち込みます。がんばりやさんはこの時期、なにごとも「これまでどおりにできない自分」がもどかしく、自分を責めることが多いものです。
そのほか、閉経を「女性でなくなること」ととらえている人も、症状に過剰に反応して感化させるケースがあります。
ストレスの大きい環境に置かれている人
この時期は、自らの老後の準備に加えて、夫との関係、子どもの心配、親の介護の問題など、自分だけでは解決できないさまざまな問題も起こってきます。仕事を続けてきた人は、職場の責任も高くなってプレッシャーを感じる人もいるでしょう。また職場の人間関係も大きなストレスのひとつ。
更年期に増人するストレスが、エストロゲン分泌の低下に拍車をかけ、自律神経のづフンスを乱していくことが少なくありません。
症状が強いのは、あなたが弱い人間だからではありません
このように更年制に起こる症状は、さまざまな要素が複雑にからみ合って起こります。更年期は生理的なからだの変化であるというと「症状が出る、出ないは心のもちようだ」とか「ヒマな女性に起こる」と精神論を口にする人がいます。
もちろん同じ症状でも、深刻に受け止める人、「こんなもんなんだな」と軽く受け止める人がいるのは事実です。
けれども、気のもちようだけで症状がなくなるほど更年期は単純なものではありません。心やからだに不訓が現れたら、家族や周囲の人の理解のもとに、適切な治療を受けることが大切です。いまは更年期外来や閉経外来、女性外来など更年期の心とからだを丸ごとみる診療科も増えています。こうした科を積極的に受診してください。
更年期障害のつらい症状と不安を解消
